「自分の投げた矢が絶対、的に当たっているものだと思っていてさ、
 それがてんで外れた地面に突き刺さっていたら、寂しいじゃないか」
「そういう時はだ・・・落ちた場所に、自分で的を書けばいいんだよ」

伊藤と日比野のこの何気ない会話。
なんか忘れたくなくて書きとめました。
物語に大きな影響はないとこなんだけどね。 ^ー^;
 
 
 
 

ちなみに文庫本の方で読みました。

文節ごとにあるちっちゃいイラストを目印に、場面展開をなんとなく感じつつ、軽快なテンポで 自身あっという間に読み終えてしまった一作。

「世間」と往来できるのは、代々熊親爺の轟の家系。荻島は100年以上ひっそりと取り残された島。
個性的な登場人物(そのひとりは案山子)。そう、喋る案山子→優午。ファンタジーな話かと思いきや違う。
冷酷無情な城山→残念ながら警察官。
人がやたらと死ぬ。桜という青年は島で拳銃を持ち、自分の判断で人を殺していい。いわば処刑人。ミステリーかと思いきや、どうも違う。

それから双子の美人姉妹。鳩マニアの田中という足の悪い男。体重300?のウサギという名の女は、とうとう動けなくなって市場に住んで・・・いゃ、根付いてしまったんだろうね。奥さんにぞっこんの郵便配達員の草薙。唯一まともそうな草薙の奥さん、百合ちゃん。反対のことしか言わない"元"画家の園山。

主人公は伊藤という男。城山から逃れて轟に拾われるようにして島にやってきたところから、物語は始まりました。
日比野という男が世話役となり、伊藤に島を案内したり案山子の優午に紹介しました。

優午は予知が出来る不思議な案山子。喋るだけでも不思議だけどね。
伊藤や島民に残した数々の「予知」というか「言葉」が、終盤になって一気につながっていくのが圧巻でした。
2回読むとそれは納得のいくものになり、著者がにやりとしているのが思い浮かびます。
「島に欠けているものとは?」というなぞが繰り返し出てきますが、それにはちょっと拍子抜け。
期待しすぎちゃいましたかね?笑 
 
 

そうそう。
著者の伊坂さん、意外と若い人でびっくりしました。
また別作を読んでみるつもりです。
 
 


ISBN:4106027674 単行本 伊坂 幸太郎 新潮社 2000/12 ¥1,785 既存のミステリーの枠にとらわれない大胆な発想で、読者を魅了する伊坂幸太郎のデビュー作。レイプという過酷な運命を背負う青年の姿を爽やかに描いた『重力ピエロ』や、特殊能力を持つ4人組の強盗団が活躍する『陽気なギャングが地球を回す』など、特異なキャラクターと奇想天外なストーリーを持ち味にしている著者であるが、その才能の…

 
 

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